この記事ではNHKロボコン2024のR1「愛宕」について紹介していきます。

ハードウェア

苗回収

1次ビデオ審査までは一度に2つの苗を回収可能な機構を採用してましたが、2次ビデオ審査以降では苗回収にかかる時間を短縮するため、一度に4つの苗を回収可能な機構を新たに採用しました。
ハンドのアクチュエータには SMC株式会社 様から支援して頂いたロータリアクチュエータを用いることで、軽量・省スペースな機構を実現しました。

籾回収

1次ビデオ審査までは、籾(ボール)の回収にハンド型の回収機構を採用していました。2次ビデオ審査以降ではクリアランスを広げ確実性を上げるため、オムニホイールを回転させて籾に当て、巻き込んで回収する機構に変更しました。

ローラー射出

RC22のR1「暁」に搭載されていた射出ユニットを基に、本大会仕様にブラッシュアップしました。ローター付きTモーターを三ヶ所に配置することで、常にボールを射出部中心に寄せ、かつバックスピンをかけられるようにし、精度の良い射出を実現しました。
なお、制作した射出機構を用いての籾射出の最大飛距離は観測した限りで約21mです。

ソフトウェア

構成

制御にはROS 2を用いており、各機能ごとにノードを分けています。R1のノード構成は以下のようになっており、基板通信ノードがROS上と各マイコンの橋渡しをしています。

ROS上では各基板の情報、センサー情報などが集められており、接続がうまくできていない基板やセンサーがあれば、操縦者が持っているweb UI上に情報が表示されます。

自己位置推定

機体位置に依らず、エリア3の決まった場所に確実に籾を射出するために、機体位置の推定を行っています。機体に接地エンコーダをつけることでエリア2にある籾用の穴に足回りの車輪が嵌まった際に穴から脱出できない問題があったため、接地エンコーダを付けることが厳しい状況にありました。そのため、機体上の2台のLRFからの情報のみを用いて自己位置推定を行っていました。
なお、自己位置推定に用いたコードのほとんどはR2から流用したため、R1特有の開発にほとんど工数をかけることなく機能の実現ができました。

射出

自己位置推定結果を用いて、三ヶ所に配置したTモーターのそれぞれの回転速度を決定しているため、機体位置に依らず決まった位置に籾を落とすことができます。また、射出時に籾に対してバックスピンをかけることで、射出した籾が落下地点に留まるようにしました。
籾/空籾の落下位置を離しR2側での籾回収を高速化するため、操縦者がボールの落下位置を手前や奥に切り替えることができるようにしています。また、現在のモーターの出力と機体上のLEDの色を対応させることで、ボールの落下位置の設定がどちらになっているのか操縦者がすぐにわかるようにしています。


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